最初に米国株に投資しようと考えた時、そもそも知っている企業がほとんどありませんでした。
その界隈ではあまりにも有名なP&G(PG)とかジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、ゼネラル・エレクトリック(GE)くらいは知っていましたが、たまにCMでちょろっと耳にするくらいで、世界に冠たるスーパー多国籍企業だとは当時知る由もありませんでした。
では何に投資すべきか。
少ない情報の中でまず最初に思ったこと。「それが無ければ生きていけない企業にしようか」ということでした。
そこで私が考えたのが公益株でもなくディフェンシブでもなく、”食物”でした。

穀物メジャー?聞いたことがあるぞ
世界を牛耳るメジャーの面々
世界の中ではメジャーと呼ばれるものは2種類あって、オイルメジャーと穀物メジャーです。
このメジャー連中がこれらの流通を全て独占していて、世界中で暗躍し、暗い部屋の中、猫をなでながらガハハと葉巻を吸っているようなイメージでしょうか(陳腐なイメージ)。
さて、一般的には穀物に関するメジャー企業は5つ、いわゆる五大穀物メジャーと呼ばれています。
○アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド
○ブンゲ
○カーギル
○ルイ・ドレフィス
○グレンコア
日本が誇る総合商社、丸紅が入っていないようですが、2013年に準メジャーのガビロンを買収したため、メジャーに丸紅を加えているサイトもありました。
その他ではアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドとカーギルぐらいは名前を聞いたことがありますが、他は全く知りませんでした。
その中でもカーギルは世界最大の非上場企業となっていて、カーギル家とマクミラン家の関係者が全ての株式を所有する同族経営企業です。私はどちらの一族でもないため、株の購入は不可能です。
一方、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドは1902年創業。製粉、加工、ココアなどの主要収益源を持ち、大豆油やヒマワリ油などの油類、トウモロコシ、でんぷん、グルコースなどの甘味料、小麦粉などを取り扱っていてます。
近年は燃料生産にも進出しており、パーム油によるバイオエタノール生産のためインドネシアへ進出しています。
そしてこちらはニューヨーク証券取引所(NYSE)で購入が可能です。
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)への投資について
ADMの企業情報として、
現在の株価 41.85ドル
〇 PER(株価収益率) 12.48倍←まあ割安
〇 PBR( 株価純資産倍率)1.35倍←まあ割安
〇 ROE(自己資本比率) 7.69%←低い・・
となっていて、
2018年10-12月期は
〇 総売上高 64,341百万ドル(予想65,240百万ドル)
〇 当期純利益 1,810百万ドル(予想2,001百万ドル)
〇 5カ年間の営業キャッシュフロー ー47.8億ドル
〇 5カ年間のフリーキャッシュフロー -35.5億ドル
と、企業規模は巨大ですがキャッシュフローが安定していません。
ただ、長期投資家として気になるのが配当利回りと配当年数です。
ADMの配当利回りは3.2%で配当性向は40.8%、連続増配年数は43年と、配当王入りも遠い話ではないでしょう。
想定されるリスクとしては、価格リスク、為替リスク、輸送・保管におけるリスクとなります。
特に天候不良や自然災害により穀物の生産が安定しなければ、その影響を諸に受けます。
色々調べていたわけですが、結局私の米国市場入門は、配当利回りの関係から、結局は公益株とディフェンシブからのスタートとなりました。
ただ、ADMは最初からウォッチリストには入れており、現在も監視は継続しています(GEは既に削除した)
ちなみに、米中貿易摩擦の影響で、2018年10-12月期の決算が純利益が前同期の−60%、予想も下回ったことから、2月5日には前日比5.9%と暴落しています。
ADMは”薄利多売”で稼いでいて、安定していませんが、長期投資家の大好物である配当はキチンとやっている真面目な企業といったところでしょうか。
当然、我々は食べ物がなければ生きていけません。また、今後新興国の肉食需要が増加してくれば家畜飼料としての穀物需要も増加していくでしょう。
また、穀物メジャーは中間で商品としての穀物を扱うため、配送ネットワーク・拠点が張り巡らされており、そのため新規参入するには深い堀があると考えます。
これらの理由により、今後とも長く生き残っていく可能性は高いと考えています。
色々問題もあるかもしれませんが、今後、配当利回りが5%を超えてきたらその時は購入を検討してもいいかと考え中です。
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