金(Gold)は人類の歴史において、価値ある資産として人々を魅了してきました。
金の魅力は何といってもあの輝き。
人の持つ本能に否応無く訴えてくる美しさがあります。
また、薄く伸びる特性があり、様々な装飾品への加工が容易で、腐食耐性が大きいことから金歯や金糸、金箔など実用的にも使われてきました。
また現在でもインドでは婚礼の際の持参金(ダウリー)として金などの財産を娘に持たせるダウリー制度が一般的に行われています。
そんな金ですが、当然その量は有限であり、地球上に存在する金は一説には20m立方体くらいの量しかないそうで、その3/4はすでに採掘済みだそうです。
世界中至る所で時の権力者達はその貴重な金を自らの権力の象徴として集め、金をめぐって戦い、金を保有していたためにインカ帝国のように侵略された国もありました。
また近代では変動相場制に移る前は、自国が保有する金が発行する貨幣の価値を保証する金本位制が主流でした。
まさに、我々の遺伝子レベルで金=貴重なモノとしてすり込まれているわけです。
現在の資産としての金の位置づけ
“有事の金”というように、世界的な経済危機や紛争などが起こるとリスクヘッジとして金が買われてきました。
なので、株式市場と金価格は逆相関の動きを示します。
地金の現物での取引や、市場でも金先物や金ETFが取引されていますが、基本的に金そのものは価値を生み出しません。
なので、リスクヘッジもしながら利益も享受したいとなった時に考えるのが“金鉱株”となります。
単純に考えれば金を採掘し精製するコストは大きく変動することはないので、金価格が損益分岐点を超えれば、値上がり分は金鉱株企業の利益として入ってくるので、タイミングはあるかもしれませんが金価格と金鉱株価が連動することは想像に難くありません。
また、金価格と金利についてはある程度逆相関を示していて、パウエル議長の利上げ停止示唆発言は金価格=金鉱株価にとってはポジティブニュースとなります。
それを体現するかのように、私の保有する南アフリカの企業、ハーモニー・ゴールド・マイニング(HMY)とシバンエ・スティル・ウォーター(SBGL)は今年に入って爆謄しています。
今後の相場が悲観的な場合、金鉱株は買いなのか
強烈な株式市場へのインパクトや事件があった場合の金鉱株の動きに注目してみると、2009年のリーマンショック後の2011~2012年、チャイナショックの2016年には逆相関を示しましたので、ある程度は逆相関を示すと言えそうです。
その考えに基づき、HMYとSBGLをそれぞれ1万ドル、1万5千ドル程度保有しています。
1年程度保有しているこれらの株ですが、ホルダーとしての率直な感想は、
値動きがとにかく荒い。
1日で5%以上動くことがザラにあります。
でもまあヘッジしながら配当ももらえるし、ポートフォリオの片隅に置いておいてもいいか、と思ってホールドしていましたが、去年の入出金明細を確認したところ、想定外の事実が判明。
なんと、ヘッジしながら高金利が貰える!ラッキー!と喜んで購入したSBGLが、なんと“無配”でした。
SBI証券でスクリーニングした時は10%以上の年間配当があったから購入したからにもかかわらず、去年の配当は“0円”。
確認したところ配当利回りの欄が「-」となっていました。

ガックシ・・・
毎月配当履歴をチェックしていなかったずぼらな私が悪いんですけどね。
長期投資家は相場の動きに一喜一憂せず、ほったらかしにすることが最強と思っていましたが、モノには限度があるようです^^;
あと、株価下落による高配当化の銘柄には気を付けましょうという教訓を得たと思えば、とポジティブに考えることにします。。
今後の“金”の行方や如何に
先日の日経で「じわり中国が金保有」という記事がありました。
金の保有が増えているようです。
まあ、中国は米中貿易戦争とか地方の隠れ債務とか不動産バブルの終焉とかファーウェイがインチキしていたとか、悪いニュースには事欠きませんので、ヘッジとしての金に走る状況はよく理解できます。
じゃあ、そのまま金鉱株は買いか?
というと、私の考えは少し異なります。
1月28日にファーウエイの孟CFOが米国に起訴されるなど、きな臭い動きが続いているようですが、米中通商協議の期限である3月1日までにはいい方向で一定の決着が付くのではないかと思っています。
そうなると考えられるのが2つの相場シナリオ。
これで当面の懸念はなくなった!ということでリスクオンとなるのか、はたまた、それを織り込んでいるのが現在の株高で、決着が付いた途端、それ以外の山積みのリスクを意識してガクンと下がるのか。
何が言いたいかというと、よく分からないという結論です。
なので、私は一旦、保有しているSBGLとHMYを売却しようと思っています。
HMYについては、現在2ドルを超えていますが、売却後もウォッチを継続し、もし1.3ドルくらいまで下がったら買い下がってもいいかもしれません。
ただ、無配のSBGLはある程度タイミングを見計らって売却します。
こちらはどちらかというと投機に近いかもしれませんね。
長期投資ははっきり言ってディフェンシブのストロングホールドなので退屈です。
金鉱株はここしばらくウォッチしてきて“クセ”のようなものも分かってきたので、値動きが荒い銘柄で遊んでみましょうかね。ブログのネタにもなるし。
コメント