【XOM】石油の未来と投資スタンス

米国株

先日書いたポートフォリオの記事の最後に石油関連銘柄について書きましたが、本日はその続きをば。

 

昔、私がまだ小学生の頃の話。

叔父からもらった宝物がありました。

それは「砂漠のバラ」

叔父は本土の大手建設会社にフリーランスの技術者として雇われていました。

私が物心ついた時にはサウジアラビア、マレーシア、中国、またサウジアラビアと、数年単位で単身赴任しており、年に数回しか沖縄には戻ってきませんでしたが、帰ってきた時に外国の話を聞くのが楽しみだったのを覚えています。

その叔父がサウジアラビアからお土産に持ってきたのが「砂漠のバラ」と呼ばれるバラの形をした美しい石です。

その時聞いた話では、何でも、鉱石が砂漠で様々な浸食を受けてバラのような複雑な模様になるとのことで、キラキラ光ってとてもキレイでした。

サウジアラビアの入国に必要なビザを取得するためには、サウジアラビア国内に身元保証人が必要らしく、「世界一入国が難しい国」と言われています。

そんなことは当時のよしお少年はつゆ知らず、砂漠のバラを眺めては、ターバンを巻いた石油王がラクダに乗り、月の沙漠を隊列でゆく光景を夢見ていました。

しかし、現代の石油の舞台は中東から遠く離れたアメリカに移り、彼の地で石油王が誕生しつつあるようです。

 

巨大な石油カルテル

社会の授業で習った覚えがあると思いますが、現在、石油輸出国機構(OPEC)には、サウジアラビア、クウェート、イラン(!)など15カ国が加盟しています。

このOPEC、歴史的には原油の価格をコントロールするスーパーカルテルであり、世界経済に与える影響は非常に大きいものがあります。

第1次、2次と、かつておこったオイルショックもOPECによる価格の値上げが引き起こしました。

カルテルというと原油価格を調整して濡れ手に粟の大もうけをしている印象ですが、2008年に起こったリーマンショックの時は、OPECが協調して価格をコントロールし、暴落を防いだようです。

ただ、実際の内情としては、参加国間の足並みを揃えることが難しく、加盟国が協調して減産し価格をコントロールすることが難しいようで、サウジアラビアが自国の産出量を減らすことで調整弁を担っています(そういう意味でもトランプ大統領はサウジアラビアと良好な関係を築いていたいようです)

その巨大なカルテルに衝撃を与えたのが、アメリカのシェールオイル生産です。

元々、シェールが埋蔵されていることは知られていたようですが、それを掘削し、精製するまでに莫大なコストが掛かっていたため、実用的なものとはなっていませんでした。

それが、原油価格の高騰によりにわかに脚光があたり、シェールの掘削・精製にコストをかけても引き合うレベルまで原油価格が上昇、一気に技術革新が進みました。

現在ではウェスト・テキサス・インターメディエイト(WTI)の価格で1バレル40ドル程度であれば利益がでるまでコストが落ちているようです。

ちなみに現在は1バレル50ドル前半となっていますので、十分利益がでるレベルとなっています。

そのため、アメリカの原油生産量はロシアやサウジアラビアに匹敵するまでとなり、アメリカ最大手のエネルギー企業であるエクソン・モービル(XOM)は2022年ごろまでに年平均100億ドルを米国内に投資する計画を立てていて、その多くがシェールに投資されるようです。

XOMはその巨大な資本を原資としてシェールと敵対するのではなく、内部に取り込む方針を示しているのです。

ただ、これに危機感を示すのがサウジアラビアを中心としたOPEC諸国です。
いくらサウジアラビアが減産してもXOMを始めとするシェールが市場に無秩序にでてくるのであれば、サウジアラビアも黙っていないでしょう。

しっかりとした枠組みは構築されるとは思いますが、トランプ大統領はツイッターでたびたび原油安について奨励しており、そのトランプ大統領とXOMとはかなり良好な関係を築いていますので、どこまで原油生産を協調できるかは不透明です。

 

私の石油関連銘柄に対するスタンス

太陽光発電やEV自動車など、自然エネルギーをメインにした社会のインフラ化が今後進められていくことは確実です。

ただし、これは先進国の場合。

これから発展が進むアフリカ諸国を始めとする新興国においては、まだまだ石油の需要はあるでしょう。

また、石油化学製品についても、プラスチックストローが廃止されるくらいでは影響はそこまで大きくはないでしょうが、今後は石油科学製品より割高な代替製品に係るコストを社会が受容しながら、同時に技術革新が進んでいくでしょう。

結論として、石油需要は今後ともなくならないが、その重要度は相対的・長期的に薄れていくのではないか、と考えています。

シェールの台頭により生産量の問題がひとまず心配なくなったのであれば、原油価格はある程度の価格帯で安定するはずです。

OPECがなりふり構わず増産するという諸刃の剣をかざし、シェールをつぶしにかかるかもしれませんが、巨額の投資を行う方針を示したXOMの覚悟の前では、かつてのように簡単には踏み切れないはずです。

 

現在のように原油価格がじりじり下がっている中を拾うのではなく、落ちきったところを、シェールを取り込んだXOMを購入したいと考えています。

目安として、1バレル40ドル以下というところで出動する準備をしておきたいと思います。

 

50位以内に入ったら、うめ吉とちょろ坊をファミレスに連れて行ってあげることになりました。よろしくお願いします。
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