ひと昔前、「BRICs(ブリックス)」という言葉が流行りました。これは、当時経済成長が著しかった国であるブラジル(BRAZIL)、ロシア(RUSSIA)、インド(INDIA)、中国(CHINA)の頭文字をとった言葉です(”S”は南アフリカ(SOUTH AFRICA)を示すとの見解もあります)。
その後も、投資及び将来成長が有望な国として、イラン、インドネシア、エジプト、トルコ、ナイジェリア、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、メキシコ、韓国を総称し、「NEXT11(ネクストイレブン)」という言葉も生まれました。
当時は、21世紀はこれらの新興国の時代になるであろうと予感させる空気が、いたるところにあふれていました。
僕の古い友達VWO
当時のこれらの情報に触れる度に、

これからは新興国の時代やで~
と誰もが思っていたと思います。そういう私もこの新興国教に被れてしまい、米国株ETFを購入するにいたりました。
そのETFが・・・
EEM(iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット)です。
現在、構成銘柄数は977で、構成国については高い順に、中国、韓国、台湾、インド、ブラジル、南アフリカ、ロシア・・・と続きます。純資産総額は278億ドル配当利回り2.52%という内容です。
こちらを5年間程度保有しました。
それなりに含み益もあり、まったりと保有していたのですが、ある運命的なETFの存在に気づいてしまったのです。
そのETFこそが、
VWO(バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF)です。
恥ずかしながら、その存在を全く知りませんでした。
構成銘柄数は約4000で、構成国では高い順に、中国、台湾、インド、南アフリカ、ブラジル、タイ・・・と続きます。純資産総額は530億ドル配当利回り2.78%という内容です。
しばらくはVWOとEEMを同時に保有していましたが、途中でEEMを完全売却しました。ストロングホールド派の私にしては珍いのですが、その理由はもちろんEEMよりVWOが優れているので1本化した方がいいと判断したためです。
その理由が、
〇銘柄数が多く、分散されている(4000:977)
〇経費率が低い(0.14%:0.69%)
ためです。特に経費率は切り替えの理由としては大きかったですね。
初めに購入してからは定期的に買い増し、今では私の保有している株式総額の1/4を占めています。私の資産状況はVWOに左右されると言っても過言ではありません。
なかなかの暴れん坊だなVWO
VWOとは長いつきあいなのですが、まあまあのジェットコースターETFです。
2016年のチャイナショックでは一時28ドル近辺まで値を下げ、その後、ゆっくりと値を戻し、2018年初頭には51ドル近辺まで上げました。そして2月の暴落、10月の暴落の影響が直撃し、現在37.4ドルと大低迷。実に高値から約26%も暴落しているという悲惨な状況。
中国の割合が多いためもろに影響を受けるのは分かりますが、こんなことしたらダメだよお前さん。。
一方、私が保有している他のETF含め配当を重視していないため、値が上がらないなら保有していてもあまり慰めてくれないんですよねえ。だって、5年も保有していてマイナスなんですよ。VOOやVTIの爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいよ、あたしゃあ。
今後の方針はどうすべきか
シーゲル教授はその著書「株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす~」の中で、「成長の罠」という言葉を用いました。成長企業や新興国に対する期待は熱狂につながりやすく、結果的に株価の過大評価につながりやすい、というのです。
そのため、割高な株価はいったんマイナス材料がでるとイグアスの滝状態になりやすいと。今後、この言葉を肝に銘じながら、市場と向き合う必要がありますね。
ちなみにシーゲル教授は新興国は現在割安だとして、自らも投資を継続しているとのことです。
私は現在の方針が配当重視に傾いていっているため、VWOを買い増しするのはためらわれるところですが、チャイナショック時の30ドルを下回ってきたら、思い切って出動するのも面白いかもしれません。その時は確実に落ちるナイフだとは思いますが。
BRICsのその後
BRICsはその後、リーマンショックや原油価格の低迷でマイナス成長に陥り輝きを失っており、未だにパッとしません。
インドについては安定的に経済成長し、今後、中国を抜いて人口が世界一になると予想されるなど有望ではありますが、インフラ整備の遅れによるエネルギーの供給不安や、多言語・他宗教・慣行による企業参入の困難さなどの不安要因があります。
中国については世界第二位のGDPを達成していますが、人件費の高騰による成長率の鈍化、米国との貿易問題、シャドーバンキング問題、過剰開発などによる金融不安がささやかれています。
NEXT11については、一括りにして評価するのは不可能だし、また意味がありませんが、ご存知のとおりいまいちパッとせず、私からしたら期待していた成長はできていないように感じます。
新興国については、今後、南アフリカ以外のアフリカ勢も伸びてくると思われます。うまく立ち回って、これらの国々の成長や活力を自らの投資に取り入れていきたいものです。
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