前回は初めての不動産を購入したところまで書きました。
約4千万円。
大きな金額でしたが、何故かあまり心配はしていませんでした。
それよりも、やっと手に入れたという興奮が勝っていたのかもしれません。
株もやっていましたが、やはり実際に目でみて触れる不動産とは全然満足度が違いました。
これで俺も一国一城の主か
でもお父ちゃん、なんでオイラたちはアパートに住んでいるの?
うっ。そ、そのうちお前にも話すからね
ということで、私の大家さんライフが始まりました。
大家さんはつらいよ・・・
さて、私が購入した外人用アパートは190坪の3階建て、我が家から車で40分くらいの距離でした。
そこの敷地には何も植えられていない庭がありました。
そこはほっおておくとすぐに雑草が伸びてきます。
そのままにしておくと見栄えが悪いので、月1で家族を連れて草刈り大会。
私たち夫婦が汗を流している間、うめ吉は三輪車で一人グルグル爆走してましたね。
更に月1回、共用部分の階段と廊下の電球のチェック。
しかし、どこを探しても手動スイッチが無い(汗
だから、電球が切れているかどうかが確認できない。
日光を感知して暗くなったら勝手に点くシステムだったので、切れてるかどうかを確認しながら、これまた家族で夜からお出かけ。
入居している方は全員アメリカ人で一切面識がなく、また私は英語が喋れなかったので、敷地内に入るのはメチャクチャ緊張しましたね。車を近くに路駐して徒歩で侵入開始。
お父ちゃん、自分のアパートなのにおかしいや!
隙あらば騒ごうとするうめ吉をお菓子で興味を逸らしつつ、まるで泥棒のように抜き足差し足で施設内を徘徊。
電球を交換すると、脱兎のごとく逃走していました。
トラブルその1 隣の敷地が入っていた事件
購入した時は隣は空き地でしたが、その後、家が建ちました。
すると、どこから調べたのか携帯に土地家屋調査士から電話があり、うちの敷地が隣の敷地にはみ出ているというじゃありませんか!
慌てて購入した不動産屋に連絡したところ、適正な売買だったという証拠のような図面を提供されました。
それを持って所有権を主張しましたが、その調査士は当方の言い分が正しいと譲らず。
ブロック塀を後退させるのは現実的ではないので、その分の買い取りを打診してきました。
こちらとしては中古の現況で購入したのに「今更買い取れ」という主張を受け入れることはできません。
そうなると取るべき手段はただ一つ。
着拒。
しばらく耐えていたら、連絡はなくなりましたとさ。
トラブルその2 シロアリ騒動
1階の外人が退去したので、初めて中に入ってみたところ、床がブヨブヨの箇所を発見。
仲介不動産屋と一緒に確認したところ、”シロアリ”の仕業と判明。
シロアリ業者を探し、対応しました。
トラブルその3 付帯設備をちゃんとせよ
3階の外人が退去したのに伴い、部屋の中をチェックしたところ、ちょっとしたテーブルを備える必要があると仲介不動産屋から言われました。
それから中古家具屋を何軒も回った末、丁度いい具合のテーブルをゲット。
またある時は、非常はしごを付ける必要があるということで、これも業者に依頼し、入居者に工事の話をつけ実施。
台風が来た時に雨漏りがするということで、これも入居者に話をつけ工事を実施。
どこから雨が入ってきているのか調べるために結構苦労したんですよね。
間に不動産屋が入るといっても、出来ることは自分でやらなければならず、特に精神的に大変でした。
そして売却へ
それでもトラブルには出来るだけ対処していましたし、大家というのはこういうものだと割り切っていました。
ただ最も大変だったのが入居者を埋めること。
当時、基地内の住居が満たされておらず、米軍は、まずは基地内の住居を満室にしたうえで、余分を基地外に許可するという方針を打ち出しました。
これはもう住宅を提供する側からしたら大問題です。
購入当初は満室でしたが、購入後すぐに1室が退去。
埋まったと思ったらまた1室退去と、その後、満室を維持することはありませんでした。
銀行の返済については2室の家賃で賄って余りありましたが、もし1室になった場合、これはもう手出しになります。
そう考えるとめちゃくちゃ不安でしたね。
ということで、1年半後に購入した不動産屋に売却の仲介を依頼。
依頼してから半年ほどして何とか買い手が付き、私が購入した金額、3千7百万円で売却することができました。
結果、所有している間のインカムと合わせて収支はトントンでした。
しばらくして見にいってみましたが、うち2室の窓にカーテンが貼られておらず、生活している様子はありませんでした。
不動産投資に関する結論
不動産投資のメリットとして、銀行借り入れによる投資が可能なことが挙げられます。
いわゆるレバレッジが効くというヤツです。
そして何よりも所有する満足感があります。
デメリットとしては、すぐに売れないし買えないという流動性の低さが挙げられます。
そして売買に係る諸費用が大きい。目安として、物件価格の8%程度、余計にかかります。
その結果、実物不動産を所有するよりはREITで持てば、これらのデメリットが解消できるという結論に達しました。
今回は凄くいい経験をさせてもらいました。
銀行借り入れから売主との駆け引き、物件の管理、税金、確定申告、司法書士との調整などなど、不動産投資に係る知識は、やはり自ら実践して初めて血となり肉となります。
この少子化の流れの中で、たぶんもう手を出すことはないでしょうが、今だにあの所有したときの感激は忘れられず、いつかまた手掛けてみたいと思っています。
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