退職後にグロソブを買った先輩

米国株
Free-Photos / Pixabay

10年ほど前、退職した先輩(女性)にたまたま会う機会がありました。よもやま話をしているうちに退職金はどうしたのかという踏み込んだ話になりました。

 

とってもいい投資があって、グロー?ソブ?とかいうの。それを買っているんだけど、毎月配当が入ってくるの。すごいでしょう!

 

 

単語の端々からすると一時期かなり流行った「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」のことでしょう。

どれくらい購入しているかは聞けませんでしたが、名称すらキチンと把握していない投資商品に大事な退職金を預けるのはどうかとも思いましたが、当時、私はそこまで投資の知識がなく、また先輩の嬉しそうな顔を見ていると何も言えませんでした。

え、私ですか?買いませんよ、グロソブなんて。

 

今、グロソブはどうなっているのか

国や政府機関が発行している投資適格債券のことを「ソブリン債」と呼びます。

そのソブリン債を投資対象にした「グローバル・ソブリン・オープン」は、国際投資で得た利益を毎月一定額ずつ出資者に分配する毎月分配型の投信商品です。

比較的安全な債券で運用されたこともあり、投資初心者や年配の方から絶大な支持を得て大きく成長。

一時期は5兆7千億円もの資金を集め、長く投信業界のトップに君臨していましたが、今や4400億円台と最盛期の1/10以下にまで落ち込んでいます。

その理由として、グロソブは投資信託の一種として基準価格が下がるリスクがあり、実際に下がり続けています。

また、外貨建の外国債で運用しているため、それに伴う為替変動リスクがありますが、為替ヘッジされていないため、もろに影響を受けます。

あと昔の投資信託にありがちなのが高すぎる報酬手数料。

購入時手数料が1.62%

信託報酬が年率1.35%

信託財産留保額が0.5%

と、バカ高い報酬手数料をとっています。しかも、直近1年のリターンがたったの1.74%。

こんな内容なら、アメリカの格付が高い投資適格債券市場全体にまとめて投資するETFのBND(バンガード・米国トータル債券市場ETF)を買っておいたよっぽどマシです。

 

SBI証券なら購入時手数料が最大20ドルで、信託報酬が0.5%です。分配利回りも2.75%で、毎月配当ですから。

 

手数料やリスクに敏感になろう

たかが数%と放っておくと、それが長期間になればなるほど投資パフォーマンスを押し下げます。

また、キチンとリスクを把握してなければ、気がついた時には手遅れになっていることもあるでしょう。特にリタイア後の退職金を突っ込んだりしたら。

ETFの世界では同じような商品でも信託報酬が異なってたり、一方がいつのまにか下がってたりすることがあります。

我々投資家は常に信託報酬や乗り換えなどのコストを意識することが、資産形成の重要な観点となります。

 

先輩は夫婦ともに60歳まで勤めあげ、今も趣味で近所の子ども達に習字を教えていたりと悠々自適の生活を送っています。その後聞いたところによると、グロソブを買ったのは退職金の一部だったので、あまり大きなダメージは負ってないようでした。

退職後に大金を持って初めて投資の世界に足を踏み入れ大火傷を負うと、収入が無くなる分、取り返すことはかなり難しくなります。

もしあなたが退職後の経済プランを練ってないなら、できるだけ早いうちから投資の世界に少しずつ触れておくことをオススメします。

 

応援よろしくお願いします。
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ 

コメント

タイトルとURLをコピーしました