みなさんは「ファーストペンギン」という言葉を知っているでしょうか。
ペンギンの群れの中で、魚を捕るために、一番最初に海に飛び込むペンギンのことです。
しかし、水の中にはペンギンの天敵であるヒョウアザラシやシャチが待ち構えているかもしれません。
その時、彼らは恐らく飛び込むことを本能的に迷うでしょう。
しかし待っているだけでは魚は手に入りませんから、誰かが飛び込まなくてはなりません。
そして思いきって最初に飛び込んだ「ファーストペンギン」が一番最初に豊富な魚にありつけるのです。もしかしたら仲間から英雄扱いされるかもしれないし。
しかし、もし天敵が待ち構えていたら最初の餌食になります。
実際はどのような心理状態になっているかは知るよしもないのですが。
もしかしたらたまたま列の先頭にいただけ、という方が確率は高いですが、それを見る我々人間は美しいストーリーを作り出し、教訓や逸話として引用してきたわけですね。
さて、人間世界では実際に利益とリスクを天秤にかけ、最初にリスクに飛び込む「ファーストペンギン」達がいます。
人間界のファーストペンギンたち
Amazonの創業者であるジェフ・ベゾスはネットビジネスの将来性を確信し、ヘッジファンドの副社長の地位を捨て(しかも入社後4年、26歳の時!)、オンライン書籍販売の会社を設立しました。
その後は2001年のインターネットバブル崩壊を生き残り、現在の地位を築きあげました。
イーロン・マスクによって設立されたテスラモーターズは、「モデル3」の部品供給不安で「破滅するかどうか」の噂が飛び交いましたが、第3・四半期決算は「モデル3」の生産が拡大し、損益とキャッシュフローが黒字に転換、利益率が予想を上回っったことで息を吹き替えしています。
スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックがガレージで立ち上げたAppleは、ジョブズを追放した後ジリ貧となりましたが、ジョブズが立ち上げた会社「NeXT」を買収することで再びジョブズを迎え入れました。その後の快進撃はご存知の通りです。
彼らのように、果敢に海に飛び込んでいったペンギンの中には、荒れ狂う波にもまれながら、天敵の餌食になったものもたくさんいるでしょう。
見方を変えれば、すでにその分野で活躍していた手強い天敵の間隙を自らのビジョンと行動力ですり抜け、魚のたくさんいるブルーオーシャンにたどり着いたジェフ・ベゾスやイーロン・マスク、スティーブ・ジョブズは、ある意味、リスクを恐れずに海に飛び込んでいったファーストペンギンで生き残ったもの達なのです。
さて、投資家の世界のファーストペンギンはどのような人たちでしょうか。
それは黎明期のAmazonやTesla、Appleに投資した方々です。
今でこそ巨大になったこれらの21世紀の巨人達の息の根が止まる寸前の危機があった中で、逃げ出さずにファーストペンギンとして留まり、その将来性を信じ続けた投資家だけが豊富な魚、莫大なリターンを得たのです。
後付けで「あの時、Amazonに1万ドル投資していたらなあ」と妄想は膨らむこともあるでしょうが、あの荒れ狂う海に飛び込むことができるのは、ほんの一握りの投資家だけだったのです。
投資家としてのペンギンはどう動くべきか
我々一般の投資家はそんなファーストペンギンになることを夢想はするでしょうが、天敵に食べられてしまっては元も子もありません。
だって、人生は有限なんだから、食べられて終わりでは取り返しがつかないでしょう。
投資の世界ではファーストペンギンになるのではなく、ペンギンの群れの中心くらいにいて、魚がたくさんいる海岸をみんなで探す方が正解です。
そこには群れを満足させるだけの魚がいるんだから。投資家にとってのその海こそが米国市場です。
そういう意味では米国株投資家は一つの群れ、同志みたいなものだと私は思っています。
みんなが食べきれないくらいの大きさの市場ですから、無理に魚を奪い合う必要はありません。
右肩上がりに魚が増えていくことは資本主義社会の歴史の中で証明されていますし、今後もその可能性は高いと考えているからです。
我々はファーストペンギンになる必要はありません。
じっくりと魚がたくさんいて、安全だと評判の高い海を探して、恐る恐る飛び込みましょう。
ポチッとしてもらえると、うめ吉とちょろ坊が歌いながら手をつないでクルクル回ります。よろしくお願いします。
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