僥倖(ぎょうこう):思いがけない幸い、偶然に得る幸運
さて、みなさんは図書館を利用していますか?
私は子どもが小さいこともあり、よく図書館にいって、絵本を数十冊単位で借りたりしています(家族分の図書館カードがあるので大人借りしています)
図書館には家族連れで来てたり、学生が勉強していたりと、人が大勢いるのに静かなあの雰囲気は好きですね。
みんながお互いを尊重して成り立っている。
絵本のコーナーでも、子どもたちは本を探したり読んだりしているので、基本そこまでうるさくありません。
セミリタイア後も新たな知識を得るべく使い倒したいと思います。
うちの子どもたちには夜寝る前に絵本を読むのが日課になっており、やはり人気の内容は正直者がハッピーエンドになるお話です。
あと、読むのがなくなったら即興でおとぎ話を話したりしています。
どちらかというと、そちらの方が子ども受けがいいですね。だって本人達が登場して活躍しますんで(笑)
さて、僥倖の訪れるおとぎ話は本の中の話だけではありません。
現代でも日々いたるところでそれはは生まれます。
いたるところにあふれる僥倖
2005年にジェイコムという企業の株が新規上場されました。
その際、みずほ銀行の担当者が「61万円で1株売り」とすべき注文を「1円で61万株売り」と誤って注文。
はい、嫌な予感しかしない。
この時、7100株を取得し、その後売り抜け、20億3千5百万円を得た「B・N・F」氏をご存じでしょうか。通称「ジェイコム男」という名前で有名ですね。
2000年に元手164万円で株式投資をスタートし、現在200億円超の資産となったそうで、東京でビルをいくつか所有しているとか、オリックスの個人筆頭株主だとか、すごいサクセスストーリーの持ち主です。
近年は仮想通貨が大変話題になり、「億り人」という言葉もはやりました。ホリエモンやたむけんなんかがえらい儲けているとテレビで言っていましたね。うらやましい。
こういった現代のおとぎ話はなぜ生まれるのでしょうか。
なぜ、この幸運はあなたではなく、B・N・F氏やホリエモンに起こったのでしょうか。
生き残った奴、最強説
「生存バイアス」という言葉をご存じでしょうか。
おもいっきり簡単に説明すると、生存した物のみを基準とすることで誤った判断を行ってしまうことです。
近年のニュースで例を挙げると、熊と山で出会って撃退した高齢者や空手家の話が話題になりました。
なぜそんなニュースばかり取り上げられるのか?
負けた人(襲われた人)は死ぬか大怪我したからです。その声が世に出回らないんです。
金融機関から売り出す投資信託なんかでは、インデックスを上回る凄い成績を残した投資信託がたまに見られ、大きくPRされています。
一瞬、
「も、もしかしバフェットのような天才ファンドマネージャーがいるのか??」
と思うかもしれませんが、その理由はインデックスを下回った投資信託は淘汰されたり、宣伝に使われなかったりするからなんです。
仮想通貨の話を続けます。
国税庁の発表に基づく記事では、国内の仮想通貨取引者364万人のうち1億円以上の収入があった方は300人。1万人に一人の割合です。
これがすごいのかどうか私には判断がつきませんが、テレビやネットで取り上げられるのが実にその一人なのです。残りの人達は大損こくか退場したのです。
年初のビットコインやリップルが大暴落したのは記憶に新しいですが、相当数の人が過熱相場に飛び込み痛恨の一撃を食らったのは想像に堅くありません。
ちなみにビットコインは最高値2,350,517円からイグアスの滝となり、現在その約1/3、716,605円のところでウロウロしています。
FXのスイスフランショックやトルコリラショックもロスカットの嵐が吹き荒れました。
株もリーマンショック後に雪崩をうちました。
その波の中で振り落とされた、永遠に投資をやめてしまった累々たる屍の上に、一握りの勝者が立っているのです。
そして生存バイアスにより、生き残った一握りの勝者の語るその声は大きく(みんなに自慢するでしょうし、金融関係の雑誌やニュースはこぞって取り上げます。
だって契約者や発行部数が増えたりとPRになるんだから)、ニュースバリュがあるので広く知られることになります。
「株って儲かるらしいよ」とか「これから上がりそうな仮想通貨があるんだけど」という僥倖が自分の上に降り注ぐことを夢みて、光に集まる虫のように人は吸い寄せられていくのです。
矛盾するようですが、私は米国株を信じており、実践しています。
過去を見ると、米国株投資は右肩上がりですので、短期的なゼロサムゲームにのめり込むことなく、インカムゲイン投資や長期保有を続ければ成功の確率は高いという方針を自分の中で確立しているからです。
要は、道具(株やFX)が悪いのではなく、それを使う人次第なのです。
安易に「儲かりそうだから」という理由で、ろくにリスクやルールを学ばずに、その本質を考えずにネギを背負って飛び込んで来る人達は、少し懐疑的に「儲け話」を聞くべきだと私は思うのです。
簡単にうまい話は手に入りませんよ。
ところで、仮想通貨はダメですよ。あれは投資の道具としては全然信用していません。
天才バフェットとビル・ゲイツも「価値を生み出さない」と全否定していますから。
私の周りでも最近、「リップルが爆上げしている」と興奮気味で話し合っている友人達がいました。しかも、彼らは投資のことについて全く知識がないのです!
私がどうしたかって?
微笑みながら黙って聞いていました。
え、何故この話をしないのかって?
だって、彼らの上に僥倖が降りてくるかどうかは誰にも分らないからです。
もしかしたら、もしかしたら一握りの勝者になれるかもしれない。
仮想通貨で楽しんでいる友人達に「S&P500は歴史的には年利7%で上昇している」という話しをしても、場をしらけさせるだけですから。
さてさて、今日もどこかで僥倖が生まれていることでしょう。
コメント