私の住む沖縄では、2009~2017年のインバウンド(外国からの旅行者)の伸び率(21万人→301万人と約14倍)が世界一になりました(日本では大阪が5位、北海道が7位)。
2017年の観光客は約940万人となっており、あのハワイに肉薄しています。
街を歩くとアジアからの観光客だらけ。なぜ分かるかと言うと、彼らは歩きながら普通に中国語、韓国語をしゃべってるし、服装とか顔つきとかで分かるんですよね。レンタカーなんかも、「外国人が運転しています」というステッカーが車体後部に貼られているので一目瞭然です。国際通りや食堂も彼らで一杯で、ホテルも次から次に建っています。
このように絶好調な沖縄県の観光経済ですが、一見して彼らと異なる外国人もいます。
それはベトナム人、ネパール人、フィリピン人です。昼間は日本語学校に通い、夜は居酒屋やコンビニなどで働いています。そのため、毎朝、通学するために自転車に乗って走っているのをよく見かけます。話してみるととても素朴な人たちです。遠く祖国を離れ、日本の、しかも離島県である沖縄まで働きに来るなんて、素直に「すごいなあ」と感心します。もし日本人がネパールに出稼ぎに行くことになって、カトマンズでもない、ポカラでもない、「パルプンテ(仮)」という町に行けとなったとしても、厳しいものがありますよね。
やむにやまれぬ事情を抱え、来たくて来ているわけではないだろうというのは察せられますが、同じ人間として、軽やかに国境を飛び越える彼らのたくましさがうらやましい。出来るだけ親切にしてあげたいものです。
少子化の行く末と日本の未来
一人の女性が生涯に産む子どもの数を表した合計特殊出生率は2017年は1.43となり、2年連続で低下しました。このまま出生率の低下が続けば、2053年には1億人を切ることが国の調査で判明しています。もしこのままの状態が延々と続くと、理論上はいつか日本人は絶滅することになります。果たして、最後の日本人が見ているのはどのような光景でしょうか。
さて、近年の好景気により失業率は改善、企業の求人件数も増えた一方、人手の確保が難しくなっています。そのため、労働条件が悪い企業には人が集まらなくなり、給与や時給を上げざるを得ず、吉野家のように人件費が上昇し経営を圧迫、損益が赤字に転落した企業も出始めました。
また、後継者がいなくて自らの代で事業を畳む、町工場のような中小企業の黒字倒産の話しも頻繁に耳にするようになりました。
これらの労働力不足に対応するために、ユニクロを展開するファーストリテイリングは倉庫の自動化に向けた戦略を発表しました。その結果、9割以上の人員が削減されるとのことです。アメリカではAmazon Go、日本ではローソンがスマホを使った無人レジ実験に取り組むなど、今後、センサー技術やキャッシュレス技術の進化、ロボットによるFA化(ファクトリーオートメーション)や自動運転がどんどん進んでいくでしょうが、これらの技術はまだまだ実験段階で、一般的に普及するまでにはいたっていません。すぐにキャッチアップするでしょうが。
この緊急の人手不足のために、政府は11月2日に、外国人労働者の受け入れ拡大に向け新たな在留資格を創設する、「出入国管理法改正案」を閣議決定しました。この法律の中身は、「特定技能1号」と「特定技能2号」という2種類の在留資格に区分され、1号は在留期間が5年で家族の同伴は認められず、より高い専門性や技術が認められた2号は在留期間の更新が可能で、家族の同伴が認められます。
野党はこの法律を「実質上の移民政策」と批判していますが、これはある意味的を射ています。日本はその地形上、他民族が混ざり合うことが極端に少なかったため、現在のように単一民族国家として成り立っているわけです(相対的な話です)。そのため、「移民を受け入れる」ということに対し、アレルギー反応を示すのは当然の反応なのです。
この法律の善し悪しは置いといて、一度こういう法律を導入してしまうと簡単には変えることができません。ロボットやAIの台頭により人手不足を補う目処が付いたからと行って、生活が根付いた外国の方々を簡単にその国から追い払うことは人道にもとるからです。
そういうことは保守である自民党も当然承知の上でやっているはずです。しかし、人口動態予測についてはかなり高い精度で未来を見通す指標であり、日本人が減っていくということは回避困難な規定路線なのです。いわば、そこまで日本は追い詰められていると言えます。
投資家としてどうするべきか
この法律が日本社会にどのような結果を引き起こすかはわかりませんが(個人的には楽観的です)、一般的には人件費の低い労働人口が増えると、それに伴い全体の人件費も引きずられます。ブルーカラーとホワイトカラーではその速度は変わるでしょうけど。
一方、最新技術を使った流通管理や小売、AIやビッグデータによる士業へのインパクトや手続き業務の代替など、日本のみならず労働構造は激変するでしょう。我々投資家は、この流れの中で出来るだけ情報を集め、そして予測し、より確率の高いと信じる未来に賭けていく必要があります。
思いつくままに一部を取り上げると、少子化が進む中で教育産業はどうなのか、介護産業はこれから有望なのか。半導体産業やSNS分野は今後も有望であり続けるのか、生活必需品産業はPB(プライベートブランド)とどう渡り合うのかなどなど、予測したら切りがない。言い換えれば何が起こっても変じゃない未来がやってきます。それが投資家としての投資する楽しみとも言えるかもしれませんが。
このような流れを自分の中に取り込み腹に落とした上で、現在の投資スタイルであるディフェンシブ銘柄を中心に投資することを盲信することなく、今後も投資に取り組んで行きたいと思います。
50位以内に入ったら、うめ吉とちょろ坊をファミレスに連れて行ってあげることになりました。よろしくお願いします。
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