焼いている匂いで一番そそられる食材とはなんだ?
焼肉、焼き鳥、パンなどなどたくさんありますが、やはり私は鰻。
何ですかね、あの心の中心を鷲づかみにする、人間の持つ原始に訴えかけるあの暴力的な香り。
昔友達数人と自転車で遠出した時、その内の一人(ウナオ)が鰻弁当を持ってきていました。残りの人間はそれをゴルゴ13のような眼で見つめ、そしてウナオが残った鰻のタレが染み込んだ白飯の残りを分け与えてくれました。それにハイエナのようにむさぼりついた俺たち。あのタレが染み込んだ白飯、最高だったなあ。
もう一つの鰻の思い出は、数年前、退職した上司に呼び出され、たぶん沖縄では最も高い鰻料亭に連れていかれ、なんと一番高いコースをご馳走になりました。後にも先にも白焼きを食べたのはあの時だけです。ワサビを付けて食べたのですよ。そしてそれは今後もないでしょうよ。
と、鰻の思い出は尽きることはありません。しかしここ最近ウナギの価格が高騰していて、もう庶民の食べ物とは呼べないですね。
白いダイヤ
ニホンウナギは絶滅危惧種に指定されていて、その希少性から「白いダイヤ」とも呼ばれています。稚魚のシラスウナギは丼ぶり1杯で100万円で取引されているという話もあります。何故ここまで高騰したのでしょうか。
それは稚魚のシラスウナギが不漁となったことが大きな原因で、海洋環境の変動、親ウナギやシラスウナギの過剰な漁獲、生息環境の悪化などが指摘されていて、それらが総合的に関係しているといわれています。
これまでウナギの生態はベールに包まれていましたが、現在では世界一深い海、マリアナ海溝で産卵することが分かっています。その後回遊して日本にも到達し、静岡県や愛知県が主な漁場となっているようです。
しかしその白いダイヤを目当てに密漁が横行しており、水産庁によると2017年から18年までの漁期に養殖業者が仕入れたシラスウナギの量は8.9トンだったのに対し、自治体に報告されたのは5.3トンと、3.6トンが出所不明となっているようです。
輸入も含めた価格は2001年頃までは数十万円/kgだったのが、2018年は299万円/kgとなりました。逆に今の末端価格で止まっているのが不思議なくらいのバブルです。
「土用の丑の日」というかき入れ時に鰻を出すためには12~1月にシラスウナギが必要となり、養殖業者は何とかシラスウナギを手にいれようと、非正規のルートから相場よりも高値で入手する場合も多いそうです。
いつか元の庶民の食に戻って欲しいなあ
結構昔からウナギ不漁のニュースは続いていて、それがずっと価格に跳ね返っています。
昔は中国産であれば600円くらい出せば一尾くらいスーパーで購入できたのが、今は1.5倍くらいの感覚でしょうか。日本産にいたってはもう家族が出計らったのを見計らって、マンモス西の様にこっそり隠れて一人で食べるしかありません。
ただ、少しだけお得に国産鰻を食べる方法があります。
それはご存知「ふるさと納税」です。
我が家は去年、鹿児島県産の鰻3尾を手に入れ、一度の夕飯で一気に食べるという贅沢をしました。普通に購入していれば5千円は下らない代物です。もう年に一回の贅沢ですね。
え、他のふるさと納税も全部鰻にすればいいって?
それは無理な相談です。なぜなら妻が米にしまくるからです。
いつか完全養殖に成功し、牛丼並みの値段まで下がってくれればいいんですけどね。
コメント