人生には道草が必要だ

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道草を食う。

ノスタルジックな響きですね。あと、昔の人のネーミングセンスを感じる。

小学生の頃、真っすぐ家に帰らずに、フラフラする。

目的を持って遊びにいくのではなく、あくまでも家に帰る途中で気の向くまま、足の向くまま。

私も小学生の頃は毎日道草をしていました。公園に行ったり意味なく崖を登ったり。

高学年になったら夏はほとんど毎日クワガタを捕りに行って友達の家に直行。自宅とは真反対の方角でしたが。

高校時代は勉強はあまりしなかったので、案の定浪人(計画浪人と積極的に言っています)し、毎日麻雀や釣り、夜遊び。

大学時代には休学してアメリカ大陸を旅行するなどの道草をしてきました。

今考えると親不孝だったかもしれませんが、振り返ってみると、私の人格の深み(いやいや、誰にでもあるでしょう?多少なりとも)はその多くが道草で醸成されたのではないかと思います。

天井を見上げている時間。夜行バスに揺られている時間。友人たちとバカ騒ぎしている時間。

そして、その間、心のどこかでいつもくすぶっているほのかな焦燥。

俺、このままでいいのだろうか・・・

他の人生と比較できないので断定的なことはいえませんが、少なくとも私の人生に厚みを持たせたことは間違いありません。

 

医学部入試不正問題の闇

東京医科大での問題が発端となった、入試の際に女性と浪人生を不当に扱ったニュースは衝撃でした。

女性の部分については、

「出産や子育てのため離職率が上がり、結果、人手が足りなくなる」

という言い分も理解できなくもありません(だからと言って許されるものではありません)

が、その空いた枠を使って文科省局長の子どもを不正に合格させていれば、その理由も白々しいだけです。

この問題は、どちらかというと女性差別に焦点が当たっていますが、私が怒りを覚えるのが3浪以上の男子を、

「多浪だと伸びがない」

という理由で、点数を実質減点するという得点操作をしていたことです。

これは全くフェアじゃない。仮にやるなら、少なくとも事前に周知するべきです(たぶんやらないと思いますが)

こんな根拠の薄い理由で、不正を働いた大学側は落とされた方々の人生を変えてしまったのです。

私も1浪しているので浪人生の心情は理解しているつもりですが、これが3浪以上となると、心の焦り、周りの目、プレッシャー、金銭事情。底無し沼の中に沈み込んでいく感覚。

こういった計り知れない重圧はいかばかりでしょうか。本当に胸が痛みます。

私からしたら、これらの重圧の中で苦悶しながら勝ち取った経験は、相対的(あくまでも)に、苦労せずストレートで合格した方々よりも、社会にとっては貴重な人材になると思うのです。

そして、目標としていた大学に合格した喜びは、勉学の励行に直結するのではないかと思います。

医者の道に進む人には、人の苦労や心の痛みが理解できる人間にこそなってもらいたい。

その後、他の大学でも同様の不正が行われていたことが発覚しました。そしてまだまだ出てきそうな勢いです。

 

これからは世界に出ていかない理由などない

これでは日本は失敗を許さない冷淡な国になるしかありません。

子どもたちには何度でもチャレンジできる、そんな社会で生きて欲しいですが、KYB免振データ偽装や自動車製品データ偽装問題など、もうこれは日本にしみ込んだ体質なんじゃないかと呆れます。

もし今後、日本がやり直しがきかない、間違いが許されない国として変わらないなら、もう海外に飛び出すしかありません。

ちっぽけな島国にとどまることなく、広い世界で伸び伸びと人生を謳歌して欲しい。

私は子どもたちにも、ゆくゆくは投資という手段を通じて世界の動きに触れ、怖じけず飛び出す選択肢(もちろん日本を選んでもいいんですよ)を持って欲しいと願います。

最後はムリクリ海外投資に結びつけましたが、これもまた道草。

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